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AWARDS
INTRODUCTION
『熱波』『アラビアン・ナイト』などで知られるポルトガルの鬼才ミゲル・ゴメスが、コロナ禍を乗り越え制作期間4年をかけて完成させた本作は、第77回(2024年)カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した話題作。撮影に『ブンミおじさんの森』『君の名前で僕を呼んで』『チャレンジャーズ』の名撮影監督サヨムプー・ムックディプローム、日本側のプロデューサーに『大いなる不在』の近浦啓監督ら豪華スタッフが参加し、ミャンマー/シンガポール/タイ/ベトナム/フィリピン/日本/中国のアジア7カ国でロケを敢行。観る者を摩訶不思議な境地〈グランドツアー〉に誘う。過去と現代、現実と幻想、カラーとモノクロが混ざり合い、共鳴しながら織りなす類まれな映画の旅を、あなた自身の目と心で味わってほしい。
STORY
1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワードと結婚するために婚約者モリーは現地を訪れるが、エドワードはモリーが到着する直前に姿を消してしまう。逃げる男と追う女の、ロマンティックでコミカルでメランコリックなアジアを巡る大旅行の行方は…。
CAST
ゴンサロ・ワディントンエドワード役
Gonçalo Waddington
1977年、ポルトガル・リスボン生まれ。1994年から3年間カスカイス演劇専門学校で演技を学び、在学中にTVシリーズ『Polícias(原題)』(96-97)でデビュー。2005年にはマルコ・マルティンズ監督の『Alice(原題)』でスクリーンデビューを果たし、その後、俳優、劇作家、脚本家として幅広く活動の場を広げる。共同脚本と主演を務めたTVシリーズ『Odisseia(原題)』(13)は国内で人気を博し、高く評価された。監督としては、長編監督デビュー作『Patrick(原題)』(19)が サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀作品賞にノミネートされるなど注目を集める。俳優としても高く評価されており、『Mal Nascida(原題)』(07/ジョアン・カニージョ監督)でポルトガル・ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされたほか、本作『グランドツアー』(24)でもソフィア賞(ポルトガル映画アカデミー賞)主演男優賞にノミネート。ゴメス監督作品では『アラビアン・ナイト』第2部・第3部(15)に続き、2回目の出演となった。
クリスティーナ・アルファイアテモリー役
Crista Alfaiate
1981年、ポルトガル・リスボン生まれ。2004年にリスボン演劇映画高等学校(ESTC)で学士号を取得後、ニューヨークの演技学校で学び、複数の演劇カンパニーで経験を積む。2013年には振付家コンスタンツァ・マクラスによるヨーロッパを代表する演劇マスタークラス「École des Maîtres」に参加し、2015年にはマクラス演出の『Soft Cell』(ヨーテボリ・オペラダンスカンパニー)に出演。その後もポルトガルの一流劇場であるマリア2世国立劇場をはじめとする国内の舞台に多数出演しながら、国際的な演劇プロジェクトへも参加を続ける。映画界では、ゴメス監督作品の常連として知られ、『アラビアン・ナイト』3部作、『ツガチハ日記』(21)、『グランドツアー』に出演し、その演技が高く評価された。
クラウディオ・ダ・シルヴァサンダース役
Cláudio da Silva
1974年、アンゴラ共和国・ウアンボ生まれ。ポルトガル・カトリック大学で応用外国語の学位を取得後、リスボン演劇映画高等学校(ESTC)で演劇を学ぶ。舞台では、多数の作品に出演する傍ら、自ら創作・演出に携わるなど精力的に活動している。映画では、国際的に評価されるポルトガルのジョアン・ボテリョ監督作品の常連俳優として知られ、主演を務めた『Disquiet(英題)』(10)では、ポルトガル・ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネート。以降も『The Maias : Scenes from Romantic Life(英題)』(14)、『リカルド・レイスの死の年』(20)などボテリョ監 督とのコラボレーションを続けている。ゴメス監督作品への初参加となった本作『グランドツアー』では、ソフィア賞で助演男優賞にノミネートされた。2025年には小説『Boi(原題)』を発表し、UCCLA文学新人賞(Prémio de Revelação Literária UCCLA)を受賞するなど、俳優業にとどまらず、活躍の場を広げている。
ラン=ケー・トランゴック役
Lang Khê Tran
1997年、フランス・パリ生まれ。『青いパパイヤの香り』(93)、『ノルウェイの森』(10)、『ポトフ 美食家と料理人』(23)などで世界的に知られるベトナム出身の映画監督トラン・アン・ユンと、彼の公私にわたるパートナーの女優トラン・ヌー・イエン・ケーを両親に持つ。ソルボンヌ大学で演劇と映画を学んだ後、応用美術を専攻。その後はフランスとロンドンを拠点にモデルとして活動し、ランコムのブランドアンバサダーに起用されるなど注目を集めている。2018年にはギョーム・ニクルー監督作『この世の果て、数多の終焉』に、演技未経験ながら主要な役に抜擢されスクリーンデビュー。ギャスパー・ウリエルやギョーム・グイらと共演した。本作『グランドツアー』は映画出演作としては二作目にあたり、今後の活躍が期待される新星。
STAFF
監督・共同脚本
ミゲル・ゴメス
Miguel Gomes
1972年、ポルトガル・リスボン生まれ。リスボン映画演劇学校で学び、映画評論家としてキャリアをスタートさせた後、1999年に短編『Meanwhile(英題)』、2004年に長編デビュー作『自分に見合った顔』を発表。続く『私たちの好きな八月』(08)は、カンヌ国際映画祭監督週間で上映。2012年には『熱波』で、ベルリン国際映画祭の国際批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞を受賞し、国際的な名声を確立した。「千夜一夜物語」をモチーフに、現代のポルトガルを6時間超えの3部作で描いた『アラビアン・ナイト』(15)、妻・モーレン・ファゼンデイロと共同監督を務めた『ツガチハ日記』(21)は、カンヌ国際映画祭監督週間で上映。長編第6作目となる本作『グランドツアー』(24)は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、監督賞を受賞するなど高い評価を獲得した。現在は、ブラジルの作家エウクリデス・ダ・クーニャの著書に基づく『Savagery』、そしてフランスの漫画家・イラストレーターであるブレックスボレックスのグラフィック・ノベルを原作とする『Cantiga』に取り組んでいる。
FILMOGRAPHY
1999年 『Meanwhile(英題)』短編
2000年 『A Christmas Inventory(英題)』短編
2002年 『Thirty-One Means Trouble(英題)』短編
2002年 『Kalkitos(英題)』短編
2004年 『自分に見合った顔』
2006年 『Canticle of All Creatures(英題)』
2008年 『私たちの好きな八月』
2012年 『熱波』
2013年 『贖罪』短編
2015年 『アラビアン・ナイト 第1部 休息のない人々』
2015年 『アラビアン・ナイト 第2部 孤独な人々』
2015年 『アラビアン・ナイト 第3部 魅了された人々』
2021年 『ツガチハ日記』
2024年 『グランドツアー』
アソシエイト・プロデューサー
近浦啓
Kei Chika-Ura
映画監督。2018年、『コンプリシティ/優しい共犯』で長編映画監督としてデビュー。第43回トロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、第23回釜山国際映画祭、第69回ベルリン国際映画祭など、多くの国際映画祭に選出され、日本では第19回東京フィルメックスで観客賞を受賞。2020年に全国劇場公開された。2023年、長編第2作『大いなる不在(英題:GREAT ABSENCE)』が完成し、第48回トロント国際映画祭、第71回サン・セバスティアン国際映画祭、共にコンペティション部 門にノミネートされる。サン・セバスティアン国際映画祭では、最優秀俳優賞(藤竜也)、アテネオ・ギプスコアノ賞のダブル受賞を果たす。翌年2024年、USプレミア上映の第67回サンフランシスコ国際映画祭では、長編実写映画コンペティションの最高賞であるグローバル・ビジョンアワードを受賞。